純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「それにさ、すごく心配してた。今回の事」
「えっ……」
そうかもしれない。
彼は現場も、私の首の痣も見ているから。
「あとさ、これは言うなって言われたんだけど……」
北川さんは手に持っていたカップをそこに置いて、真剣な眼差しで私を見つめた。
「桐生君、今度の事で責任とるって」
「責任?」
「仕事中に部下に危ない目に合わせたからって。あの客が危険なことは察知していたのに、どうすることもできなかったって」
「そんな……」
それは違う。
木本の行動はきっと予想を超えていた。
その中で桐生さんは最大限の配慮もしてくれたし、プライベートでも守ってくれじゃない。
少々強引な守り方ではあったけれど。