純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「やっぱり、歩に頼むと違うわね。サンキュ」
今回も、予算の厳しいお客様の要望を、できるだけ詰め込んだツアーを組んでもらった。
「流石」と言わせるような見事なプランは、私も納得のものだった。
「このお礼は、してもらうぞ?」
「えぇっ。何? 食事?」
「残念。体」
クスッと笑った歩は、「電話する」と言って慌ただしく帰っていった。
5年付き合っていても、彼から結婚の話は一度も出ない。
それは、私と同じように結婚の行く末が必ずしも幸せではないとを知っている彼が、結婚に憧れを抱けないからなのかもしれない。