純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「真奈美ちゃん。あのお客様には、こちらのプランの方がいいと思うわ」
自分のお客様の事だけでなく、なんとなく全体が見えるようになってきた。
そして、私には到底無理だと思っていた仕事も、要領よくできるようになってきて、少しは彼に近づけた気がしていた。
彼の職場の電話番号は、調べればわかることだった。
だけど、私はそれをできないでいた。
曖昧なのは嫌だ。いい加減なのも、嫌だ。
そんな私を見て、北川さんは素直になりなさいなんて笑ったけれど、とにかく今は仕事だと思ったのだ。
それから担当したいくつかの式は、自分でも素晴らしかったと思う。
今まで以上に細部まで気を張り巡らせて、まだまだ良くできるところがあるんだと知った。
そういう事を指摘してくれる彼がいないせいで、自分で何度も見直したおかげだ。