純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

自分でも、成長したと思う。

もういっぱいいっぱいだと思っていたけれど、そんなことはなかった。
やればできる。


そんな自信になったころ――彼がいなくなって、4か月が過ぎたころ――。


「安永君」


突然支配人から呼び出される。


「何でしょう」

「君に、チーフプランナーになってもらおうと思っているんだが」


チーフプランナー。
それは桐生さんがやっていた仕事。
そして、彼が去ってからその席は空席だった。


「いえ。私なんかでは務まりません」


それは彼がいなくなってから、彼の仕事を引き継いで痛感したこと。

そんなに簡単じゃない。
私ではまだ無理だ。



< 283 / 311 >

この作品をシェア

pagetop