純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「梓、お前痩せたか?」
彼に梓と呼ばれるのが、くすぐったいけれどうれしい。
「うん。誰かさんが勝手にいなくなるから、御飯食べれなくなったっていうのは、嘘だけど」
「なんだよ、それ」
「ドレス、着たいから」
私がそう言うと、クスッと笑う彼。
「なら、着るか」
「うん!」
彼の胸に抱かれながら、優しい言葉を聞くだけで涙が溢れる。
言いたいことも全部言える。そんな関係が、こんなに心地いい。
だけどそれは、それを受け止めようとしてくれる彼がいるからだ。
そのまま仕事を終えた彼は、「あの時と同じだ」と言いながら、私の涙や鼻水やらでべとべとになったシャツを指さす。
そうだった。
歩の事で慰めてくれたっけ。
あの時にはもう、私の事を好きでいてくれてたんだ。
私って、罪な女?