純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
私はあれからここで、チーフプランナーとして働いている。
ローズパレスよりずっと規模の小さいここだけれど、あの頃と変わらず温かい式をたくさん経験して、やっぱり結婚はいいものだと思ったりして。
毎日のようにぶつかりあう彼だけど、それでもストイックに仕事をする彼も、私の前だけで素を出す彼も、やっぱり好きだと思う。
模擬挙式で、もう済ませてしまった誓いのキス。
ここに来てからそのことを問い詰めると、「好きでもない女にキスなんてすると思ったのか?」なんて、さらっと流されたけど。
けれど、今日のは間違いなく本物。
「泣くなよ、ブサイク」
そう耳元で囁きながら私にそっとキスを落とした彼は、ムカつくほど余裕に見えて。
「大好き」
そっと唇が離れた瞬間そうささやくと、彼は目を見開いて苦笑いした。