純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
番外編
性悪男の裏の顔
アイツが突然現れた時、気がつけばその腕を引き寄せて抱きしめていた。
「どうして来たんだ」なんて悪態をつきながら。
あの日、彼女に知られぬうちに引っ越しを済ませた俺は、しばらく放心状態だった。
そうすることを決めたのは俺なのに、アイツをいじめられないかと思うと、たまらなく寂しかったのだ。
いや……アイツの笑顔を見られないのだと思うと。
ボロボロで仕事に打ち込むしかなかった俺を救ったのは、アイツだった。
だけど、俺の気も知らず、彼氏とデートの日のアイツは分かりやすすぎてイライラした。
そして、その彼氏が浮気をしていることをなんとなく察知した俺は、必ず彼女を奪ってやると勝手にそう思い込んでいた。