純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
彼女の柔らかい唇を覆ったとき、全身に鳥肌が立つのが分かった。
もう少しも抑えることなんてできなかった。
目の前に、忘れようともがいてきたアイツがいるのだから。
悪態をつきながらも、彼女をもっと求めてしまう。
ここが職場だと分かっているのに、どうしてもキスを止めることができない。
正直言って、そういう経験は少なくはない。
だけど、こんなに甘い味がしたのは初めてだった。
彼女がそうなように、俺もまた神聖な教会では嘘を吐きたくないと思っている。
そんなのバカだと思うかもしれないけれど、たくさんの挙式を手掛けてきた俺たちにとって、ここはそういう場所なのだ。
十字架の前で梓にキスをしたのは二度目。
どっちも本気だった。
そして、彼女が「ドレスを着たい」とそう言ったとき、俺は二つ返事だった。
これじゃあまるで逆プロポーズだけど、ちゃんとしたのは今度してやる。