純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
決して大きくはないけれど、白で統一された教会内に、真っ赤なバージンロード。
高い天井には所々ガラス窓がはめ込まれていて、そこから直に太陽の光が降り注ぐ構造。
そして、パイプオルガンの音色がよく響く。
ここのパイプオルガンは、生演奏。それが一つの魅力でもある。
何度聞いてもその音は、心の奥まで響いてくる。
ステンドグラスはとても細かく丁寧に作られていて、太陽の光でキラキラと輝く。
ヨーロッパで活躍中の有名な建築家が手掛けたというここは、まさに、憧れの教会だ。
そんな気持ちで就職したものの、仕事はかなり激務だった。
休みだって不規則だし、意外と力仕事もある。
その一方で、自分が手掛けた式が成功した時の喜びは、計り知れないのだけれど。
だけど……結婚への憧れが半減した、ような気もする。
幸せの絶頂のはずの結婚が、きれいな部分ばかりではないことを、嫌というほど見てしまったから。