純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
適当にアンティパストを頼んで、ワインに変えようかと思っていた時、歩が飛び込んできた。
「梓、お待たせ。あの客、そんな予算でヨーロッパなんて無理だっつーの。俺もビール」
少し残っていた私のビールをチラッと見てから、歩がオーダーを出す。
彼がジャケットを脱いで、私のジャケットの上に置くと、二つそろったそれを見てなんだかうれしくなった。
「歩、お疲れ」
「おぉ、梓も」
ネクタイを緩めて、それをグイッと飲み干す。
その姿が男らしくて好きだけれど、よく考えたら自分も似たようなこと、してるような……。
その後、やっぱりワインに変えて、今日のおすすめとなっていた、カルパッチョを頂いて、互いの料理を分け合う。
二人で料理をつつきあって、くだらない会話を楽しんで……そして、私の部屋になだれ込む。これがいつものパターン。