純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「ヤバい。また元気になっちゃうだろ」
ずっと一緒にいたくて、ちょっと甘えて彼に抱きつくと、もう一度キスをくれる彼が、そんなことを呟く。
「じゃあ、もう一回、シよ?」
そのまま二人で朝を迎えると、私の家に置いてある替えのシャツを羽織って、ここから出勤していく。
向かいあって摂る朝食は、いつも洋食。彼はコーヒー派だ。
私は、ずっと紅茶だったけれど、彼と付き合いだしてから、すっかりコーヒーを飲むようにしている。
同棲しているみたい。
こんな生活も、悪くはない。
本当は、もっと彼に会いたい。
こうして朝まで一緒にじゃなくたって構わない。
もう少し、顔を見合わせて笑いあえる時間があったなら……。
だけど、特にそれ以上会いたいと言わない彼は、今の状態で満足しているのかもしれない。
私は、そんな彼に我儘を言えなかった。
玄関を出るとき、もう一度濃厚なキスを交わして、笑いあう。
次に会えるのはいつ? と聞きたくても聞けない私は、複雑な気持ちのまま会社に向かった。