純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「おはようございます」
「おはよう。朝帰りか?」
「えっ、はっ?」
「昨日ヤッたのか……キスマークついてる」
桐生さんに朝からそんなことを言われて、思わず首元を隠す。
「冗談だよ。まぁ、ヤったことはバレたけどな」
「はぁ?」
ムカつく。どうして私生活のことまであれこれ言われなきゃいけないのよ!
そーですよ。ヤりましたよ。しかも濃厚なやつをね。
ギューッと奥歯を噛みしめて怒りを抑えながら、心の中で悪態をつく。
そしてわざとガタンと音を立てて椅子に座ると、いくつかのファイルをピックアップして仕事を始めた。
「安永、お客様」
「はい」
桐生さんに呼ばれて店頭に出ると、そこには私が以前にコーディネートしたご夫婦の姿があった。