純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「お久しぶりです。わっ、奥様……」
奥様のお腹が大きくなっているのを見て、私は心躍った。
「授かったんです。今6か月。もう少しで会えるんです」
「良かった……良かったです!」
そのご夫婦は、結婚直前に奥様に子宮の病気が発覚して、一度はダメになりそうだった。
子供を産めないかもしれない嫁はいらないと、ご主人のご家族に反対されて。
そんな理不尽なと思ったけれど、旦那様はひとり息子でご両親の気持ちもわかるからと、奥様は半ばあきらめかけていた。
けれど、ご主人は結婚を選んだ。
子供ができなくともかまわないと。
そして、ほんのわずかな可能性にかけて、きっと子供も授かれると信じて。
その時、全く仕事外ではあったけれど、奥様のお話を何度も何度も聞いた。
周りが出産ラッシュだった奥様は、ひどく落ち込んでしまって。
けれど、私と話している間に徐々に落ち着きを取り戻した奥様は、ご主人を信じてついて行こうと決めたのだ。