純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「えぇ、褒め殺しです」
まともに向き合うのがバカらしくて、コーヒーを片手に出ていこうとすると、アハハと笑う。
「流石、仕事のできる崖っぷち女は違うな」
「うるさいです!」
終始私たちはこんな感じ。
7年前、大卒でここに来た後、まだ新人でアタフタしていた時に、他から引き抜かれたとかいってやってきた彼は、何故か私に付きまとっては毒を吐く。
だけど、仕事の腕は一流で、決して外したことがない。
ここで式を挙げたお客が、今でも彼を訪ねてくるくらい、信頼が厚かった。
悔しいけれど……仕事の面では学ぶことが多い。
お客が何かを渋っているときの、とっさの別案提示。無理難題を何とかしてしまう行動力。
それに何度助けられたか……。
だけど、その口の悪さときたら。
顔に似合わず、酷いとしか言いようがない。