純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「安永、お前アポあるか?」
「いえ、今日は……」
今日はドレスの確認と、次に来られるお客様の日程調整などで、比較的楽な日だ。
「太田様の職場の同僚が、来て欲しいと言っているんだが、お前……」
「行きます!」
桐生さんと一緒に、駆け落ちした二人の結婚をご両親に認めていただこうとしていたあの太田様。
昨日、足を運んだばかりの前の会社。そこからお呼びが……。
何だかいい話な気がして、心躍る。
意気揚々と、桐生さんの車の助手席に乗り込むと、彼が眉間にしわを寄せる。
「お前、酒臭い」
「えっ、マジですか? あー、女として最低」
「そんなことは知ってる」
「なっ……」