純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
フンと鼻で笑った桐生さんが私に向けて放り投げたのは、臭い消しのタブレット。
「気休めだ」
「ありがとうございます」
それが新品なのに気がついた。
もしかして、私のために?
昨日の会社に到着すると、すぐに小さな応接室に通された。
「俺たち、皆で話したんです。あいつは本当にいい奴でしたし、親がいないからって、そんなのあいつのせいじゃない。俺たちで力になれるのなら……」
そんな風に終始穏やかに進んだ会話。
会社を後にするとき、私の心はホカホカに温まっていた。