純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

数日後。
太田様が二人で訪ねてきた。


「桐生さん、安永さん。ありがとうございました」


その報告は、私の胸を弾ませた。
あの後、会社の仲間が引っ越してしまった二人を訪ねて行ったそうだ。



「俺、皆に力をもらいました。
こんな生まれで、どこか自信がなかった。真面目に生きてきても、やっぱり冷たい目もあったし、どうしてもその呪縛から逃れられなくて。

だから、逃げることしか思いつかなかった。

けど、皆がそのままでいいんだって言ってくれて。お前の生き方は間違ってないって。


それで、彼女のご両親にもう一度頭を下げに行きました。勝手に駆け落ちしたことを詫びたら、殴られちゃいましたけど。

けど、何度も何度も頭を下げて……そうしたら、言ってくれたんです。お前たちの真剣な気持ちは分かった。よく戻ってきたって」


そう言いながら、鼻をすする彼。
その横では彼女がハンカチで目頭を押さえている。




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