純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「今までの事は、今日でチャラだ。お前にも家族ができるんだ。大切にしてくれって言ってもらえて……」
彼のその言葉を聞くころには、私の目からもポロポロ涙が流れ出していて……。
「結婚式も披露宴も、盛大にやるって、父も母も張り切っていて。だから……どうかお願いします」
最後に彼女が涙ながらにそう言ったとき、桐生さんは深く頷いた。
「安永、お前顔が崩れてるぞ?」
そのまま二人の意向に沿って、色々とプランを相談してお見送りした後、2人の後姿に頭を下げながら小声でそう言う桐生さん。
「だって、仕方ないじゃないですか」
「お前って、本当に……」
「何ですか?」
「なんでもない。顔、塗ってこい」
「塗るって、失礼なっ」