純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
化粧室に駆け込みながら、やっぱりまだ泣きそうな私。
良かった。本当に良かった。
婚姻届を出したり、2人だけで式を挙げることは簡単なことかもしれない。けれど、それではもう二度と彼女のご両親とは、和解できない気がしていた。
こうして、認められて……。
二人は本当の幸せを手に入れたのだと思う。
「げっ、ひどっ」
化粧室で自分の顔を見て、げんなりする。
フィルムタイプのマスカラをしていたから、黒い涙は流れなかったけれど、その残骸が飛んでいる。
「私って、ホント女っ気ない」
化粧を直しながらため息をつく。
これじゃあ、歩に嫌われちゃいそう。
ちょっと反省しながら、再び仕事に戻った。