純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「仕方ない。ここを削ればなんとか……」
「流石ね。ありがとう」
「梓のお願いなら、なんとかしなけりゃしょうがないだろ」
ニッコリ笑いあって、私はその場を離れる。
その後、歩は別のプランナーの真奈美ちゃんと打ち合わせを始めた。
彼女はまだ入社して1年の新人さん。
可愛らしい声と、女の子らしい立ち振る舞いは、私と全く違う。
「えーっ、歩さん。それはないですよ」
なにやら会話が弾んでいる。
歩さんって……人の彼氏を下の名前で呼ばないでよ。
私と歩の仲は、はっきり公言したわけではないけれど、みんな薄々知っているはずだ。
彼女の可愛らしさに、若干嫉妬する私は、そんなことでイラッとしたりして。
ないものねだりだってわかっていますよ、そりゃ。
誰もいないスタッフルームに戻って、しばらく書類の整理をしていると、歩がまたやってきた。