純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
それに比べて、女の方は、すらっとした体型に、すごく高いピンヒールを合わせるのがお好みのようだった。
そして、これでもかというほどくっきりとアイラインを引き、不自然なほどのふさふさすぎる睫をクルンとカールして、手に持つのはエルメスのバーキン。
一瞬、不釣り合いのカップルだと思っていたけれど、終始リードする新婦を見て、これはこれで上手くいってるんだと思っていた。
世の中には、いろんなカップルがいるもんだと。
「安永さん、僕……」
そう言ったっきり、オイオイ泣き始めた新郎を見て唖然とする。
「安永、こちらにお連れして」
唖然としていた私の後ろで、桐生さんが手招きする。
壁で仕切られた一つのブースに案内して、用意してあった紅茶を取りに行こうとしたとき「チッ」と舌打ちをした桐生さんとすれ違った。
「やられたな」
その言葉の意味が分かるのは、ほんの数分後。