純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
そうだ。
結婚なんて……と口にしたところで、やっぱり憧れている自分を否定できない。
そして、もうすぐ三十路の仲間入りだ。
そんな時期的な焦りも、やっぱりあるんだ。
「……そりぁ、したい、です」
そんなこと初めて言った。
だけど、桐生さんならちゃんと聞いてくれる気がして。
いや、茶化されるだけか……。
そんなことを考えながら脱力した私は、ベッドにどさっと倒れ込んだ。
「なら、なおさら止めろ。ただ焦りで結婚するなんて、お前相当バカだぞ? 心配するな。嫁に行きたいのなら、他でも行ける。もう、とりあえず寝ろ」
そんな言葉を吐きながら、もう一度布団を乱暴に掛ける。