純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「ヤバっ、遅刻する」
そんなことをどれだけ考えても、ちゃんとした答えなんて出てくるはずもなく、とりあえず出社することにした。
「安永さん、すいません、これをお願いできますか?」
何時ものように可愛らしい声で私に話しかけるのは、真奈美ちゃん。
何で、歩の誘いを受けたのよ……。
そんな心の声を押し殺しながら、彼女から書類を受け取る。
「えっ? 真奈美ちゃん、そろそろこれくらいできるわよね」
それは私が入社半年で自分でしていた仕事。
彼女はもう1年以上経つ。
式次第の最終チェックと、備品の総数チェック。
間違えないように、複数人でチェックするのは当たり前だったけれど、責任者の部分が私の名前になっていて。