Sexual Secret
唇の端っこを、少しあげてみたけど、その表情がどんな風なのか自分ではわからない。



そんなぎこちない表情をみて、よっくんは悲しそうに笑って、私の頭を撫でた。




水族館は、平日にも関わらず思った以上に人が多い。



そして、思った以上に暗い空間だった。




その暗い空間にある水槽の中で泳ぐ魚を、きれいだと思った。



なんとかフィッシュっていう名前の魚を見ていたとき。




よっくんが私の手を、そっとそっと握った。



私は別にそれに驚くこともなく、その魚をみ続けていた。
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