Sexual Secret
それから10分ぐらい、私はクラゲの前から離れなかった。



よっくんは、それを何も言わずに付き合ってくれた。




「ママ、早くしないとイルカショー始まるよ!」



そんな可愛い声が近くで聞こえて初めて、イルカショーが行われることを知った。




水族館に来るのが初めてだったから、イルカショーなんてもちろん見たことない。




「イルカ、見たい?」



そうよっくんが聞いたのは、きっと私が声の主の小さな男の子と、お母さんの背中を、自分でも気づかないうちにじっと見ていたから。

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