Sexual Secret
もういらない、だなんて、一時の感情であったとしても言うべきではなかった。




何度も連絡をとろうと思ったが、結局そうしなかった自分に驚く。



女々しいな、カッコ悪い、俺。




だけどある日、あいつのボールペンを部屋で見つけたとき。



ああ、会いに行けばいいのかと、ようやく思った。




それなのに。




あいつはいなかった、表札さえなかった。



俺は、何をしてたんだ。




俺を好きだと言ったあいつの気持ちを、無駄にした。




その上、結局自分の感情に気づいた頃にはあいつは他の男の痕をつけていて。
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