Sexual Secret
目を逸らせない。



だからこそ、もう何も言えなくなってしまう。




「もっかい、言ってみ」



先生がそう急かすけど、私は唇をほんの少し動かすのが精一杯で。




好きと言ってほしいなんて、到底言えそうになかった。




「言わねえなら、もういい」



あっさりと先生は、そう言って私から離れてしまう。




動揺する私。



言えない自分がもどかしい。




先生は、もうパソコンに向かってしまっていた。



向けられた背中。




ギュッと、拳を握る。
< 417 / 431 >

この作品をシェア

pagetop