ラブミー・アゲイン
Permanent
――――――…
「先生、聞いてる?」
水無月くんの声でハッとした。
慌てて我に返った私の視界には、完璧に勉強を放棄した水無月くんがいる。
…もう、勉強しなきゃやばいっていうのに。
『えっと、ごめん。もう一回言ってもらって良い?』
「だーかーら!なんで先生は化学教師になったの?」
水無月くんの真っ直ぐな視線は、私だけを映していた。
そんな水無月くんを見て、思わず笑いそうになる。
『んー…、そうだなぁ。』
―…ねぇ、先生。
先生は今、理恵さんと幸せに暮らしていますか?
『幸せになってほしい人の、影響かな。』
ねぇ、先生。
恋とは、カタチが違うけれど。
今でも、私は、
「…ねぇ、先生。」
『ん?』
「幸せそうだね。」
『……!』
…キミが、愛おしいんだ。
end