ラブミー・アゲイン
前にいる生徒は、水無月くん。
茶目っ気溢れる笑顔と、そこそこ整った顔立ち。
憎みたくても憎めない、やんちゃな性格。
性格や生活態度は一切問題ないし、可愛い生徒なんだけど。
頭は少し、…いや多いに弱くて。
このままじゃ、留年する。
そんな、新任の私には、頭を悩ませる生徒だ。
「ここ、わからないんだけど。」
そう言って、水無月くんは解けない問題らしきものを指差した。
口を尖らすその表情は、大人になった私から見ると幼くて。
凄く、可愛らしく見える。