ひまわりのうた
ひまわりのうた
「久しぶり。
元気だったか?
…優愛」
小さな公園の角を曲がって林を抜けた少し奥。
ひまわり畑の真ん中に、白い十字架。
おれは十字架にネックレスをかけてやる。
十字架には小さなルビーが付いたゴールドのネックレスが真昼の日を浴びて輝いている。
ここは愛した人が眠る場所。
「今年もお前の花が咲いたな」
誰もいないそこから返事なんて帰ってくるわけもなく、ただ風の音がするだけ。
「もう2年かー。
あっというまだったな。」
十字架の隣に寝転がり、静かに目を閉じる。
赤の世界で思い出すのはいつだってきみの事。