ひまわりのうた


『大輝って好きな景色とかある?』

『海。
あとはグラウンド』

『海かー…
いつか行きたいねぇ。

グラウンドとか、さすが野球好きっ!!』

『まぁな。
優愛はどうなんだよ?』

『あたし?
あたしはねー…

ひまわりが好き』

『それ、景色か?』

『ひまわり畑も好きだよ♪』

『ふーん』

『しってた?
ひまわりって太陽に向かって咲くんだよ!!』

『へー…
知らんかった』

『すごいでしょ♪
あたしがひまわりなら、大輝は太陽だねっ』

『なんでだよ』

俺が聞くと、優愛は答えなかった。
答えないかわりに俺を見つめる。

『…なんだよ?』

『わかんない?』

『なにがだ?』

『もーいいですよー』
そういって優愛は目をそらす。

最近の優愛はいつもそうだ。
俺を見つめては気付かない?だの わかんない?だの言ってくる。

俺が答えると呆れた顔をする。




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