初恋
「さくら、ほんと何してんのよ。」
「考え事。」
「朝からあんたも忙しいわね。
 常に今日何か考えてるじゃない。」
怒られたのは真由のせいでも
あるんだけどね・・・。
「で、さっきの話どういうこと?
 あたしに恋が出来るの?」
「あぁ、もう忘れて。」
「うーん。」





時間がどんどん過ぎていって
放課後になってしまった





前には
中島爽。

こういうとき
普通の女の子ならドキドキするんだろうな。

しかも寝てるから。

でもあたしは・・・・・

してない。



しかも
勉強してる。




「・・・・・恋なんか分かんないよ。」
ボソッと言ったつもりが
「へぇ、分かんないんだ。」
「えっ?」
起きてる?
聞かれた?
「恋、何が分かんないの?」
「普通に恋が分かんない。
 というか、好きが分かんないの。」
「あんた名前は?」
「愛原・・・・・さくら。」
「さくら、俺と恋してみる?」
恋?あたしなんかが出来るわけないじゃん。
好きから分かんないのに・・・・・。
しかも初対面からさくらって呼ぶな!!
「はっ?あんたのなんかしないし!!」
「中島爽。」
「えっ?」
「あんたじゃない。爽だよ。」
あぁー、そういうことね。
「中島なんかに分かんない。」
「だから爽だって。」
「はい?」
「爽って呼べよ。さくら。」
「爽なんかとそういう関係にはならない。
 もういい。帰る。これ以上あたしに
 関わらないで。」


ほんと何なの?
あたしが爽と恋する?
恋も好きも分かんないのに。
出来るわけないじゃん。
絶対これから爽には関わらない。

って何あたし爽って
呼んでんのよ!!


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