「生きろ」

鏡の前でリボンをつけて、鞄をもち部屋を出た。


階段をおりると、そこには玄関の段差に座っているユサの姿。


ユサは私に気づき「おはよ」と声をかけてきた。

「おはよう。早いね」


「そうか?いつも通りだろ」


そう言いながら腰をあげるユサ。


「ほんと?おかーさん、行ってくるねー」


リビングにいるだろうと思うお母さんに声をかけた。

リビングの中から「行ってらっしゃい」という声が聞こえた。

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