「生きろ」
帰ろう。雨で濡れても構わない。

この男のそばに居るのは危険って、第六感というのだろうか。私の脳がそう知らせている。


本を直して、立ち去ろうとした時だった。


「ねぇ」


男に目を向けられ、目があってしまった



「名前教えてよ」


はぁ?名前?


「知らない人には教えないので」


そう言って、視線を交わそうとした時だった。




視界が…揺れた。


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