(本当は)学園一の美女VS学園一のモサ男

表の顔

学園の裏にマネージャーに迎えに来てもらって、仕事場に向かった。
あたしの仕事は、モデル。
今や、日本一のモデル〈Rion〉だ。
学校では騒がれないように地味に生活しているのだ。
「Rionチャン!出番だよ~」
「は~い!今行きます!」
学園とは違う素の姿で表に出る。
シャッターが気持ちいい。

仕事が終わり、今までとは違う寮に帰る。
その前に、また変装しなきゃ…テンション下がるなあ。
いっそのことバラしてしまおうか…。
でも、騒がれるのは嫌だ。
美珠には近いうちに言おうと思ってる。
後ろから来夏が来た。
「Rion~!一緒にご飯食べに行かない?」
「あ、うん。いいよ~!」
「パスタのおいしい店あるんだけど、いい?」
「うん」
幸い学園から遠いパスタ屋さんだった。
「Rion、高校どうだった?」
「普通?」
「普通って何よ~!」
「来夏こそなんかあったの?」
「そう!!めっちゃカッコイイ人がいたのよ~!」
そう言って来夏はキャッキャ言ってる。
「で?どうしたのよ」
「…遠くから見てた」
「なんで!?」
「なんでって…恥ずかしかったから」
来夏はこういう時だけ内気なんだから…。
「ごちそうさまでした」
「あら、もう帰るの?」
「うん、寮だからね」
「あ、そうなの!?」
「うん。そうなの」
「もうちょっといいでしょ~?」
ほら、戻った。
「ダメ」
「もぉ~、しょうがないわね~。帰りなさい」
なんで上から目線!?同い年なのに。言葉にはしないけど…。
「ごちそうさまでした」
あたしはニコッと笑って席を後にした。
「なんで!?あたしがおごるの!?」
「なんでって、来夏に誘われて来たんだけど」
「え!?あたしおごるって言ってないわよ!」
「ごちそうさま~」
「もう!!しょうがないんだから!貸しイチよっ!」
あたしはそそくさと逃げた。




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