ボクノトナリデ、






強く、脆い関係。


それでも、あたしたちにはちょうどいいんだ。

それ以上を求めないから。




欲張らないから、歯止めがきく。

失っても、悲しまないように。心が組み立てられている。




お互い、それを学んでいる。




「ねーねー、新作のマスカラか、前に玲菜がいいって言ってたグロスと。どっちがいいかな?」



隣で微笑む彼女を、少しは見ていたいから。




「どっちも買ったらいいと思うけど。」



「はいはいー。玲菜適当過ぎ~。けど、まあいいや!どっちも買う!」




あたしたちは、偽善者になった。


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