×戦国ギャグ物語×
×お泊まり
「い、いらっしゃいませ…御二人様で、宜しいですか?」
ひきつった顔の宿屋の店主。
無理もない、泥まみれの客が二人来れば、驚きもする。
拙者と幸姫は、城下町に着いて宿屋に泊まることにした。
日も暮れておるし、政幸殿には夜叉丸を通して伝達しておるから大丈夫でござろう。
「幸姫、拙者は着替えを城下町にて調達致しまする。その間に湯あみに入られて下され」
「はーい…」
頭に大きなたんこぶを作った幸姫は、不貞腐れた様子で返事を返した。
…ぬ? 何故幸姫がたんこぶを作っておるかと?
なに、あまりに拙者の頭や背中を叩くので、一発お見舞い致したら思いの外痛かった御様子。
おかげで今は大人しゅうござりまする。
拙者は店仕舞いしかけた着物屋で、質素な着物を買った。
あの姫は文句を言いそうだが、その時はまた拳を見せれば良いな。
自己解決して着物を宿屋に持ち帰った。
宿屋の女人に幸姫の着物を渡し、拙者も湯あみに入った。
「幸姫、もう上がられ……な!?」
「き、霧助…」
湯から上がり部屋に来てみると、なんと…布団が一式しか敷かれておらぬではないか!
おまけに、枕は二つと致した!
戸惑う幸姫、拙者もこれには狼狽えた。
「あの店主、何を馬鹿な勘違いを…!」
「ど、どうしよう…」
「どうって、決まっておりまする!幸姫は布団で寝て下され、拙者はその辺で雑魚寝致しまする!」
「だ、ダメだよ風邪引いちゃう!」
「幸姫、拙者は元より忍でござる。雑魚寝ごときで風邪等引きませぬ」
でもでもと喚く幸姫に言い聞かせ、その場は何とか収まった。
いくら拙者でも、こればかりは譲れませぬ。
明かりの消えた部屋で、幸姫の寝息を聞くと、拙者も目を閉じた。
ひきつった顔の宿屋の店主。
無理もない、泥まみれの客が二人来れば、驚きもする。
拙者と幸姫は、城下町に着いて宿屋に泊まることにした。
日も暮れておるし、政幸殿には夜叉丸を通して伝達しておるから大丈夫でござろう。
「幸姫、拙者は着替えを城下町にて調達致しまする。その間に湯あみに入られて下され」
「はーい…」
頭に大きなたんこぶを作った幸姫は、不貞腐れた様子で返事を返した。
…ぬ? 何故幸姫がたんこぶを作っておるかと?
なに、あまりに拙者の頭や背中を叩くので、一発お見舞い致したら思いの外痛かった御様子。
おかげで今は大人しゅうござりまする。
拙者は店仕舞いしかけた着物屋で、質素な着物を買った。
あの姫は文句を言いそうだが、その時はまた拳を見せれば良いな。
自己解決して着物を宿屋に持ち帰った。
宿屋の女人に幸姫の着物を渡し、拙者も湯あみに入った。
「幸姫、もう上がられ……な!?」
「き、霧助…」
湯から上がり部屋に来てみると、なんと…布団が一式しか敷かれておらぬではないか!
おまけに、枕は二つと致した!
戸惑う幸姫、拙者もこれには狼狽えた。
「あの店主、何を馬鹿な勘違いを…!」
「ど、どうしよう…」
「どうって、決まっておりまする!幸姫は布団で寝て下され、拙者はその辺で雑魚寝致しまする!」
「だ、ダメだよ風邪引いちゃう!」
「幸姫、拙者は元より忍でござる。雑魚寝ごときで風邪等引きませぬ」
でもでもと喚く幸姫に言い聞かせ、その場は何とか収まった。
いくら拙者でも、こればかりは譲れませぬ。
明かりの消えた部屋で、幸姫の寝息を聞くと、拙者も目を閉じた。