私を愛してくれますか
過去
私、榎本友海(15)は昔から一人だった。
両親は私が幼いころに離婚し、私は母に引き取られた。
母は、私を育てるために朝早くから夜遅くまで働き続けた。
仕事が忙しいからなのか日に日にやつれていき私に愛情を注いでくれなくなった。
この頃の私は友達から好奇の目で見られつようになった。
そりゃそうだ。
両親がいないなんて幼いころの私達には考えられないのだから
「なんで友海ちゃんにはお父さんがいないの?みんないるのに」
みんなからすれば興味本意だったのだろうが私にはその言葉が刺さり心をえぐっていった。
その質問をみんながするたびに先生たちがその子を叱ったり私のことを可哀想な目で見てくる。
ただ、一人だけ何も言わずに私をただ見ている子がいた。
その子の名前は柊 隼人。
クラスの中でおとなしくていつも何を考えているか分からないとっても不思議な子。
私は、その子のことが気になっていた。
別に好きとかそういう感情ではなくただ彼のことを知りたいと前から思っていたのである。
それからもみんなからの質問は続いたが…
飽きたのだろう。
その質問はされなくなっていった。