『わたし』は『あなた』になりたい
ミナという言葉に、マカの眼の光が揺らぐ。

「…まあ自分で自分のことをフォローするつもりはありませんが、あえて派手に動くことはしません。あくまでも望む相手がいないと、我々とて動けないんですよ」

「ほう…。なら望む相手がいるのならば、活動的になると言うわけか」

「活発的にはなりませんよ。何せ我々には時間が必要ですから」

彼女は肩を竦め、困惑の表情を浮かべる。

「―それが我々と、創造主の契約なんです」

「リリスとか…。どんな契約内容なんだ?」

「それは直接ご本人にお尋ねください。きっと彼女はあなたが相手ならば、答えてくれるでしょう」

マカはしばし考えた後、模様を消した。

そして眼を閉じ、赤い色を引かせた。

「…だな。それじゃあ今日はここまでにしておこう」

「はい、お気を付けてお帰りください」

彼女は頭を下げ、マカを見送った。
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