『わたし』は『あなた』になりたい
マリーは魔力と術によって、人形から人間へと姿を変える。

そこはあの人形とは違っていたものの、どこか共通するのは製作者のせいだろう。

魔女の一族の異変の原因、それはマカの血族と同じ理由だった。

「どちらも存亡の危機と言うが、あくまでもそれは力のみのことを言っているな。子孫はそれでも生き残っているだろうに…」

「ただの人間ならば、それで満足できたでしょう。でも…あなた達やリリスはそうはいかないでしょう?」

顔を上げたマリーの眼元は、涙で潤んでいた。

マカは険しい表情をしたまま、頭をかいた。

「だからと言って、私を持ち上げたところで何になるワケでもあるまいに…。目先のことにこだわり過ぎて、ろくなことをしていないな」

「そうね。普通に生きている人間達を犠牲にしてまで、力にこだわる必要はまずないわよね」
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