『わたし』は『あなた』になりたい
マリーはそう思ったからこそ、魔女達から遠ざかったのだろう。

マカは眉を寄せながら、深く息を吐いた。

「まっ、リリスも言っていたが、所詮はその場しのぎだ。あまり上手くはいかないだろうな」

「…でしょうね。いくら魔力があるとは言え、肉体と魂の拒絶反応が全くないとは言えないでしょうから」

今回はあくまでも運が良かっただけのこと。

魔力があっても、魂の入れ物が拒絶反応を起こす確率はかなり高いだろう。

下手すれば、二つの魂は壊れてしまうぐらいのハイリスクを背負う。

「…だがそんな危険をおかしても、その後だって平和なわけではあるまい」

「マカの言う通りだと思うわ。どう足掻いたって、本当の肉体ではないんだもの。いずれ魂を受け入れた器は拒絶し出すでしょう」

顎に手を当て、マリーは少し考えた。
< 22 / 24 >

この作品をシェア

pagetop