『わたし』は『あなた』になりたい
「その拒絶反応を抑える為に、禁術に手を出すことになりそうだけど…」

「まっ、それも分かっていたことだろう。…それでもあの魔女は、人形になっていたんだろうからな」

同族達に利用されていることを分かりつつ、彼女は人形になることを望んだ。

そして自分の生を醜く続けることを選んだのだ。

「輪廻転生から外れた生は、ただならぬ苦しみを生む。それを覚悟で受け入れているモノは、強い意志を持っているとも言えなくはないがな。…まあ感心はせんが」

眼を細め、マカは窓の外に視線を向けた。

「そう、ね。苦しみを分かりつつ生きているのならば、精神力は強いでしょうね」

マリーも遠い眼をしながら、窓の外を見た。
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