『わたし』は『あなた』になりたい
「しゅっ手芸部ってそこまでやるの?」

「流石にここまでやっているのは、わたしぐらいなものですよ」

アハハと彼女は苦笑した。

「わたし、元から人形作りが趣味だったんです。綿をつめた人形から、木彫りとかまで。それで一応手芸部に」

手芸部は布を使った人形作りをしていた。

マカはミナに、二人の姿を模した小さな人形を貰った記憶があったので、覚えていたのだ。

「そっそう。じゃあお互い様ってことで」

「はい、これから気を付けることにします」

あまり譲り合っているのもおかしいので、区切りをつけることにした。

「あっ、マカ先輩は人形に興味ありますか?」

「うっう~ん。古い人形は昔から見ているけどね」

しかしマカの見てきた人形は、大抵動いたりしゃべったりする、普通の人形ではまずない。
< 3 / 24 >

この作品をシェア

pagetop