『わたし』は『あなた』になりたい
問題集に向かい続けて十分後、二人は手を止めた。

「あ~。あたしは最後の二問解けなかったぁ」

「私は一応全部埋められたわ。…けど二問間違えた。やっぱりしゃべりながらは気が散るわね」

マカは頭をボリボリかき、問題集を閉じた。

「とりあえず、あのコへの返事は任せていい?」

「良いよぉ。ケータイの電話番号もメルアドも知ってるから」

ミナは笑顔で自分のケータイ電話を取り出した。

そして早速メールを打ち始めるミナを見ながら、マカはふと眼を細めた。

「アンティークドール、か…」
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