天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅩ

龍娘が借りてきた猫のように大人しくなってしまった。

春の珍事に、職員室は騒然となる。

「龍娘どうした、何か悪いものでも食ったのか」

飲み仲間、武道仲間として龍娘を心配する翡翠。

「な、何でもない…です…今日からバルナ…先生の教えにより、生まれ変わろうと思ってだな…思いまして…」

「どうしちゃったんですか龍娘先生！らしくないですよ！」

奥方も赤ペン先生の手を止めて、龍娘の肩を揺さぶる。

「そ、そんな事ないですよ…あ…お腹の赤ちゃんは…順調ですか？」

本当にらしくもない気の遣い方をする龍娘。

「気持ち悪いですよ龍娘先生…何ですかその機械仕掛けみたいな喋り方は」

毒舌がいつもの辛辣な発言をして。

「っ…！」

一瞬拳を握り締めるものの。

「い、いやです高成先生…意地悪仰らないで下さい…」

まるで普通の女性のように、龍娘は俯き加減になる。