天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅩ
「あら…拓斗君を心配してたんですか?いい所あるじゃないですか、先生」

髪を掻き揚げるセクシーな仕草を見せながら微笑む芽々。

普通の男子生徒ならば、それだけで魅了されるような笑顔だ。

流石愛され体質、拓斗なんて早くも赤面である。

「龍娘の奴が途中で投げ出したら、罵倒して罵ってやろうと思ってな…奴は普段から俺の事を嫁馬鹿だ剣術馬鹿だと罵るからな…いずれは逆襲せねばなるまい」

大物のようで器が小さい翡翠の旦那。

「喧嘩は駄目ですよぉ、ひすい先生っ」

翡翠の傍らで、小さな体を精一杯に背伸びさせてピョンピョン飛び跳ねるかおる。

「ぼ、僕もお花っ子ちゃんと同じで、翡翠先生と龍娘先生には仲良くして欲しいです…どちらも尊敬すべき武道家ですから…」

生真面目な拓斗に眉を顰められ。

「む」

翡翠は小さく唸った。

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