天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅩ
「ん、行っていいぞ」

クルリとキャスター付きの椅子で背を向ける龍娘。

しかし。

「?」

芽々は生徒指導室を出て行かないまま、その場に立っている。

「どうした神凪?戻っていいぞ?」

「……あの…先生、折り入ってご相談が…」

芽々は神妙な顔つきで龍娘を真っ直ぐに見る。

いつも微笑みを絶やさず、奥方か芽々かという女神ぶりを見せつける彼女にしては珍しい表情だ。

< 63 / 264 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop