天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅩ
『体は鍛えれば鍛えただけ強くなるけど、精神は普通なかなか鍛えられないものなの。龍太郎君だって体は毎日のように鍛えてたけど、精神修養が出来ていないから、龍娘先生に弟子入りするまでは思うように結果が出せなかったでしょ?』

小夜の意見に、拓斗はそういえば、と頷く。

『武道で組手を始めて最初にぶつかるのが、相手の攻撃の怖さを克服する事だと思うの。殴られたり蹴られたりするのは、痛いし怖いもの…私も小さい頃にお爺ちゃんに技を教わる時は、痛い関節技かけられるのが嫌でしょうがなかったもの』

そんな精神の強さを、拓斗ははじめから持ち合わせていた。

これは武道家としては、強みといえるものだった。

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