絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅲ
「嘘よ。私、知ってる。先週末、あなたの家に恋人が行ったこと、知ってるから。35くらいの、女の人。私、知ってるのよ!?」
『何の話だ……』
「それはこっちのセリフよ!」
『またいつもの勘違いだろう? もう切るぞ』
すぐに切れた。一方的に。
「も、もしもし!?」
何で?
怒った?
そんな、何で……やっぱり事実だから?
だって、いつも、不安。
何したって安心できない。
会う時間すら、別れる時間がくることで不安になる。
「お前のことは女にしたつもりで抱いてきた」
そう言われたことはある。
だけど、だからって、電話で声を聞こうとしてくれたこともない。
会えばセックス。
そのために、全て、宥めすかされている?
数々の、替え玉の一人。
すぐに会いに出てくる、若くて言うことをきく女。
もし、仕事をやめて、あなたのために一日家にいるといったら、どう返すだろう。
なんとなく良いように納得させられて、別のマンションでも与えられるだろうか。
そこで日がな一日することもなく、ただ週に一度の逢瀬のために、6日、泣いて過ごすだろうか?
全て、想像でもなく、妄想でもない。
今までのことから、予想できる範囲内のことだ。
『何の話だ……』
「それはこっちのセリフよ!」
『またいつもの勘違いだろう? もう切るぞ』
すぐに切れた。一方的に。
「も、もしもし!?」
何で?
怒った?
そんな、何で……やっぱり事実だから?
だって、いつも、不安。
何したって安心できない。
会う時間すら、別れる時間がくることで不安になる。
「お前のことは女にしたつもりで抱いてきた」
そう言われたことはある。
だけど、だからって、電話で声を聞こうとしてくれたこともない。
会えばセックス。
そのために、全て、宥めすかされている?
数々の、替え玉の一人。
すぐに会いに出てくる、若くて言うことをきく女。
もし、仕事をやめて、あなたのために一日家にいるといったら、どう返すだろう。
なんとなく良いように納得させられて、別のマンションでも与えられるだろうか。
そこで日がな一日することもなく、ただ週に一度の逢瀬のために、6日、泣いて過ごすだろうか?
全て、想像でもなく、妄想でもない。
今までのことから、予想できる範囲内のことだ。