絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅲ
 ふっと、体が軽くなったので目を開いた。知らないうちに目を閉じていたようだ。
「今日はトラブルがあったが、お前からの誘いだと思っていたのだが?」
 巽はそれでも、力を緩めただけで、手首もつかんだままだった。
「誘いって……それはディズニーランドの誘いでしょ!? 誰もホテルでなんか誘ってないし!」
「同じだろ。彼氏がいることが理由なら」
 ……言い返す、言葉がない。
「大人しく、俺の物になれ」

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